旧仁鮒小学校校舎と体育館を文化財として保管・活用を (12月能代市議会に陳情書提出)
(故)江川正幸さんは、秋田県能代市二ツ井の旧仁鮒小学校の存続運動に尽力なさっていました。そこに、大事にしたいものがあるのです。
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江川正幸さんFacebookの写真から 2018年の校舎と江川正幸さん(左) |
動画 浜辺の歌
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撮影江川正幸 創立130周年の大文字 |
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江川正幸撮影 2014年体育館 |
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成田為三の母校 貴重な資料の展示もあった |
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江川正幸さんの写真と解説(展示パネルの複写) |
伝統的木造建築物の第一人者である
筑波大学名誉教授 安藤邦廣先生から (陳情書によせて)
旧仁鮒小学校校舎および体育館は、校舎は昭和4年に大火後に再建築され、体育館は戦後昭和27年に建築され、当時の学校建築の形式と構造をよく留めたものである。
構造および造作材に樹齢350年の天然秋田杉を用いてつくられている。
校舎は、柱に天然秋田杉の芯去り材の四方柾5寸角(15cm角)の通し柱を用いており、床板や壁板、天井板もすべて天然秋田杉の良材で仕上げられている。
体育館は、洋風の木造トラス構造を用いたものであり、その部材も天然秋田杉の良材である。
以上のように、この校舎と体育館の建築は、今日では極めて貴重な天然秋田杉を用いており、その保存状態も極めて良好である。
仁鮒小学校は天然秋田杉の産地の中心地に、それを生業とする地域住民の学校として、地域の産業、文化の象徴としてつくられたものである。
天然秋田杉の伐採、製材の技術を今日に伝える貴重な資料もあわせて保存されている。
今日、天然秋田杉は、伐採、製材は原則として禁じられ、天然秋田杉学術参考林として保存管理されている。
旧仁鮒小学校校舎、体育館および天然秋田杉に関する資料は、天然秋田杉の伐採、製材の技術と優れた材質の特徴およびその建築技術を今日および未来に伝える上で、木造学校建築として貴重であると同時に秋田杉の産業遺産としても極めて貴重な文化財である。
環境デザイナー・元東北芸術工科大学大学院准教授 廣瀬俊介さんから(栃木県在住)
樹齢350年以上の天然秋田杉で建てられた旧仁鮒 (にぶな) 小学校の解体を止め、登録有形文化財として改修することを求める陳情に賛同いたします。
旧仁鮒小学校は、能代市議会議事堂や金勇などと同様に、文化的にも地域経営的にも、また炭素固定上も保存の意義がある施設だと思います。
能代にはまた、「人間が生き物としてのびのびと、健康的に暮らせる家」を標榜し、日本における環境共生的な建築の展開を牽引してきた西方里見氏のような現代の建築家がいます。
そして、医師の提唱と植林開始にその歴史が始まる風の松原があります。風の松原に守られる人々の会という自然に対して謙虚な名称の組織をつくり、20年間当地の保全活動をされてきた方々もいます。聞き書き『秋田杉を運んだ人たち』の著者である作家の野添賢治さんも、能代市にお住まいだったと知りました。
こうした地域の自然と人々の関係から生まれた場所場所を将来に引き継ぐことは、地域固有の自然と歴史と文化の所産の価値が市民にも市外から訪れる人々にも享受されるようにするという意味で公益性が高く、かつ一般に短期経済的観点を偏重し歴史遺産の価値を認識せずに景観を刷新してしまうわが国の各地域と比較して、相対的に能代の価値と魅力を高めていくことにも結びつくと考えられます。
12月議会に提出した陳情書
陳情書(PDF) (2023/11/24提出)
令和5年12月で陳情書について審議される
12/7 文教民生委員会
(賛成1、継続審査1、反対4) 委員会採決否決
※ 本会議 12/20での委員会採決(陳情否決)が採決されました。
要望書を提出しました。
↑別のブログへリンクします。
※ 議会向け資料 (後日公開予定)
【参考】令和5年9月議会へ提出した陳情書です。
9月議会陳情提出(←詳しくはリンク参照)
※ 記者会見 → プレスリリース2023/12/7
(オンライン質疑応答)
北羽新報記事
北羽新報社提供/20231208掲載 |
提供北羽新報社/20231217掲載 |
北羽新報社提供/寄稿(山下友宏) 電子データ版 |
陳情結果(能代市議会 陳情24号)
文教民生委員会(賛成1、継続1、反対4) →委員会採決 否決 23/12/7
本会議(否決に対し採決) 賛成2、継続(退席)3、否決14
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能代市議会2023/12/21 |
公開日 2023/11/24
更新日 2023/12/6
最終更新日 2023/12/23
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