能代市長への要望書(天然秋田杉校舎・700年を生きる旧仁鮒小学校の未来プロジェクト)

 天然秋田杉校舎・700年を生きる旧仁鮒小学校の未来プロジェクト


旧仁鮒小学校の校舎・体育館を文化財として保存し

地域の人のため、みらいの子供たちのために残す運動です


生命誌写真家(故)江川正幸さんの大切にしていたことを

行政につたえるため、12月15日に能代市・能代市議会議長に要望書を提出しました。


©江川正幸/仁鮒小保存運動の紹介

能代市長・能代市議会議長への要望書


要望書(能代市長、能代市議会議長)










※北羽新報 2023/12/20に要望書について記事になりました。

北羽新報社提供/20231220掲載




能代市長への要望内容です。

2023年12月15日

能代市長  齊藤 滋宣 様

提出者  住所 :秋田県にかほ市平沢字前谷地112番地4

     一般社団法人白神山地アートミュージアム 代表理事 山下友宏

要望書 「旧仁鮒小学校の解体予算を令和7年度(2024年度)以降に延期することについて」

要望に至った理由

本法人は、旧仁鮒小学校校舎ならびに旧仁鮒小学校体育館は、登録有形文化財(建造物)に値するとする専門家意見も添え、9月議会提出の陳情18号「旧切石小学校ならびに旧仁鮒小学校校舎の登録有形文化財(建造物)の文化庁への申請についての陳情書」を提出したが、現実的でないという理由で、賛成2名、継続3名(退席)、反対14名により、委員会採決のとおり否決に至った。

12月議会には、陳情24号「旧仁鮒小学校の解体を止め、県内最後に残された天然秋田杉校舎の価値を登録有形文化財として守り、国の助成を受けて改修、有効活用していくための陳情書」を提出した。

陳情24号については、先の12月7日の文教民生委員会にて、委員会採択とはならなかったが、陳情に賛成する議員、継続審査として、さらなる検討を求める議員意見もあった。

陳情書において、木造建築物の第一人者である安藤邦廣筑波大学名誉教授の「日本の文化財」との見解、解体延期に対する賛同を付したことは、文化財とし能代市に再検討をお願いする主旨でもある。それに対し、委員会で“文化財としての価値がない”との見解を示した市当局の根拠は希薄ではないか。さらに、校舎解体やむなしと合意したとされる仁鮒地域の住民合意も、始めから校舎の解体をやむなしと考えたのではなく、自分たちの誇りである天然秋田杉の校舎の価値を十分に知りながらも、その過程において“文化的な価値がないものと”されてしまったことが、委員会質疑で判明した。

仁鮒地域の住民の潜在的意志として、当初、行政より示唆された「全解体」に対し全保存との意志を示しがたい状況のもと、体育館のみの保存にやむなく同意したという経緯があることも、地元での聞き取りで判明している。今年5月に、仁鮒部落区長から能代市に出された要望書を確認したところ、「旧仁鮒小学校が県内に現存する伝統的木造建築物の中で、歴史的な価値が高く、後世に残す必要がある」との記述もあった。 同時に、旧仁鮒小学校を主席で卒業した成田為三への敬意と誇り、校内に展示されている貴重な資料、ゼオライトを基礎にし、工夫を凝らした玄関の造作など、旧仁鮒小学校校舎を体育館と共に保存したいという真意が表れている。

また、木都能代において既に取り壊しとなった他の天然秋田杉校舎に学んだ方々の、保存への思いも旧仁鮒小学校へと集結していることが、SNSでの反応や、直接当ミュージアムの会員宛てに寄せられるメッセージでも顕著となっている。実際、切石小学校の解体、そこに生きていた桜の伐採についての悲痛な思いは、旧Twitterの発信者への3万件を大きく上回る反応として、地元を含んで大きくあり、メディアでも取り上げられた。

また、12月の議会陳情においては、秋田県由利本荘市の文化財、旧鮎川小学校の事例も提示しており、かなり現実的な提案も含まれているにも関わらず、非現実と判断するには、検討が不足していると思われる。能代市および能代市議会の関係者が民意を汲んで賢明な判断を下してくださることを願っている。もしも、それが叶わなければ、私どもが地域の方々の声にならざる声、隠れた民意を汲み、住民監査請求提出なども検討が必要とも考えている。木都としての誇りを地元内外に示し、地元住民を最優先に据えて行政を行っておられる能代市が、その必要のないご判断をしてくださると信じている。

そのため、能代市に対し、下記のとおり要望する。なお、予算に関わる要望であるため、同じ内容を能代市議会議長にも同時に提出していることを補足する。

1. 旧仁鮒小学校校舎の解体予算執行を令和7年度(2024年度)以降に延期すること

2. 旧仁鮒小学校校舎および体育館が文化財としての価値を有する可能性を再検討すること

3.旧仁鮒小校舎の利活用については、文化財としての価値を有し、国の助成を受ける前提で、費用・利活用の効果も含めて、地域住民・卒業生・識者および陳情者と陳情に賛同を頂いた方を交えて、広く話し合う機会をつくること

                                           以上


同様の要望書を、陳情書に賛同いただいた、仁鮒小の卒業生

(株)二ツ井パネル 鈴木稔 さんからも提供をいただきました。

ここに紹介します。

※鈴木稔さんは、卒業生として「仁鮒小学校を愛する会」

として、小学校の文化財としての保存を望んでいます。


許諾を得て、紹介いたします。

要望書(2023年12月13日)鈴木稔





要望書の内容

能代市長   齊藤 滋宣 様

能代市議会議長  安井 和則 様    

「仁鮒小学校を愛する会」代表

   鈴木稔(仁鮒小学校卒業生)

2024年度に解体予定である旧仁鮒小学校の解体延期を求める要望書

 仁鮒部落区長より2023年5月22日付けで能代市長あてに旧仁鮒小学校校舎解体についての要望書が提出されました。その中にも、伝統的木造建築物の第一人者である安藤邦廣氏が、旧仁鮒小学校は天然秋田杉で建てられており、建築遺産の価値があり保存すべきとの見解が書かれています。

解体延期に賛同できるその理由を以下に記述します。

 ●地元紙の北羽新報でも、能代山本地域では、「仁鮒小学校」「金勇」「檜山の野呂家」「藤里の小山家」の4件が、秋田県内に現存する木造建築物で、歴史的価値が高く、後世に残す必要があると評価されていること。


 ●旧仁鮒小学校は、日本初の童謡である「かなりや」の作曲者、成田為三の母校でもあること。「浜辺の歌」や戦前の「秋田県民歌」も、今でも多くの人たちに愛唱されていること。為三が3歳から17歳までの少年時代を、仁鮒の豊かな自然と、その象徴である旧仁鮒小学校に育まれ、日本を代表する作曲家になったこと。

 ●旧仁鮒小学校には、地域の貴重な資料や民具、卒業アルバム、歴代校長の写真等が保管されていること。

● 旧仁鮒小学校正面の玄関は、地域のゼオライトを基礎に、天然秋田杉の特殊な造りで貴重なこと。校舎や体育館は、2023年12月に世界自然遺産登録30年となる白神山地の湧水と米代川に連なるゼオライトが育んだ秋田県一の天然秋田杉で建築されており、木都能代の象徴、世界に向けて発信のできる郷土の誇りとなりうる建築物であること。

●旧仁鮒小学校の校舎に愛惜の念を強く持ち、改修や利活用に対してクラウドファンディングによる金銭的援助も含め、保存に尽力する地域の方々、地域外の方々が少なからず存在すること。

私は仁鮒小学校の卒業し、長きにわたり二ツ井パネル株式会社 代表取締役として秋田県北の木材産業に携わってきました。

行政側から校舎·体育館の全解体を示唆され、話し合いによる妥協点としての体育館のみの保存に同意したが、本来は全保存を望む地域住民や、保存に向けて奔走している若い世代の活動や声、解体された切石小学校をはじめとする他の天然秋田杉校舎に学んだ卒業生の、秋田県内で唯一残された天然秋田杉校舎である旧仁鮒小学校校舎への強い愛惜の念を知るにあたり、世界自然遺産、文化遺産、記憶遺産としての旧仁鮒小学校の来年度の解体を先に延長していただくことをここに要望します。



            「仁鮒小学校を愛する会」代表

             鈴木稔(仁鮒小学校卒業生)


記者会見 (2023/12/21 オンライン形式)
プレスリリース(2023/12/19)
※ プレス関係者の問合わせ先
 山下友宏 (白神山地アートミュージアム代表理事)
 tomohiro613◆gmail.com (◆→@に変換してください)
 090-2915-1288(携帯電話)

(ブログ公開 2023/12/24)

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